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臨床診断研究センターは、臨床的知見と情報テクノロジーを融合し、現場医療者のニーズに合致した革新的なソリューションの開発を進めています。

医療現場に革新的情報支援を

Data Processing

2025年4月10日

​臨床診断研究センター株式会社 法人設立のお知らせ

2025年4月10

​ホームページ開設のお知らせ【 2025年4月10日 公開 】

​臨床診断研究センターとは

 

​臨床診断研究センターは、疾患の診断の観点から、医療現場をより良く変えたいと願う医療者が集まり、設立された組織です。

 

今日、民間企業が人工衛星を打ち上げ、天気予報の業務を担うのが、当たり前の時代になりました。現代の船舶・航空機の運航には、リアルタイムでの位置情報、気象情報等の情報支援サービスが整備されています。リアルタイムの情報提供は、搭乗者や乗組員の多くの命の安全を守っています。

 

同じように私たち​臨床診断研究センターは、多忙を極める医療現場において、現場医療者が必要な情報をリアルタイムで提供し、ナビゲーションの役割を果たすことを目指しています。私たちは、疾患の鑑別に必要な情報を提供し、最短時間、最小コストで診断確定に至る医療の実現を通じ、多忙な現場医療者に寄与し、患者様へのより良い医療提供につながることを確信しています。

臨床診断研究センター設立目的

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私たちは「医療者が必要な物は、医療者が自ら創るべき」との哲学を持っています。これは、医療者の思考や医療現場の苦悩を知る者が、現場で必要な道具を創ることで、現場のニーズにマッチした物が生み出せると考えるからです。

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医療者が最も必要とする物の1つが「疾患の鑑別」を支援するシステムです。いま、医療現場では、圧倒的に時間が足りません。より良い医療の提供を願っても、多忙な医療現場では、症状や所見から丁寧に鑑別疾患を調べ、漏れなく鑑別疾患を考える時間的余裕がありません。

この課題に向き合うことが、臨床診断研究センターの使命であり、診断確定に要する時間とコストを最小化することを通じ、医療者、患者様の双方に貢献したいと考えています。

なお、臨床診断研究センターは、事業の継続性、発展性、財務自立性、機動性の観点に立ち、その組織形態として民間企業を選択しました。

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【臨床診断研究センターの設立目的】 ​  臨床診断研究センター設立趣意書より
 

1.現場で奮闘する誠実な現場医療者に、実効性のある後方支援を担う

2.誤診、遅診の最小化に寄与し、医療者、患者者の双方に利する

​3.診断に費やす時間とコストを減らし、医療者、患者者の負担軽減に寄与する

​4.事業の継続性、発展性、財政自立性、機動性の観点から、民間企業体で事業を行う

 

 

後方からの情報支援が必要な理由

多忙な医療現場では、鑑別疾患に関し事細かに調べる時間的余裕がありません。従来の書籍や文献による鑑別疾患の検索は、複数の症状や所見から瞬時に鑑別疾患を調べることはできませんでした。これを可能にする情報技術の開発を進めています。

たちは臨床診断学と情報処理技術を融合させ、2022年に「鑑別疾患想起支援システム」、2024年に「鑑別疾患検索システム」を開発しました。「鑑別疾患検索システム」とは、現場医療者が入力した複数の症状や各種所見の情報を統合的に処理し、可能性のある疾患を提示する医療情報を提供システムです。

私たちは多くの疾患の発症には、生活イベントが発症に深く関わっていると考えています。基礎疾患・既往歴、手術歴、使用薬剤、発症前に受けた医療行為の情報は、とても重要です。しかし、普段どのような環境で暮らし、どこに行き、何をしたか、何を食べ、どんな仕事や作業をしたかなどの生活情報も、疾患を鑑別する上で非常に重要となると考えています。私たちは、診断の疾患に寄与しうるあらゆる情報を統合処理し、鑑別疾患を提示することを実現します。そして、私たちは現場医療者の手元にある端末、すなわち電子カルテ、あるいは院内のタブレット端末等で、この鑑別疾患を提示を実現することを目指しています。​​​​​​​​​

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記憶や努力に頼る医療の限界

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ここ半世紀を振り返ると、診断機器の発展により、様々な検体検査、画像検査が可能になりました。また、先人の貢献による医学的知見の蓄積は、新たな疾患概念を生み出し、疾患の細分化にも大きく寄与しました。その一方で、医学的知見の膨大化という課題が生じています。

私たちは、医療現場におけるプロセスは情報処理そのものだと考えています。つまり、臨床の現場でなされているのは、情報の収集と処理(判断)です。問診、診察、各種検査は、疾患の診断という1つの判断を得るための、情報収集に他なりません。診断を下す思考プロセスは、各医師の長期記憶の中に刻まれた各疾患の臨床像と、目の前の患者さんの症状・所見の照合作業になります。私たちは、この患者の臨床情報と、疾患臨床像の照合プロセスにこそ、今日の情報技術による医療者支援の余地が大きいと考えています。

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複数の症状・所見を一元的に説明しうる疾患を、人間の頭脳で短時間で的確に想起し、鑑別していくことは、大変負担の大きい作業です。私たち医療者は生身の人間であり、どれほど学習努力を積んだとしても、記憶や経験できる医学的知見のボリュームには生物学的な限界があります。そして、鑑別疾患を漏らさず想起しようと、どれほどの注意を払っても、業務中に分配できる注意量には限界があります。また、医療者も生身の人間ですから、そのパフォーマンスも一定ではありません。このため、各種バイアスの影響を受けず、漏れなく鑑別疾患を想起することは、非常に困難なことです。

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​私たちは、多忙な医療現場の業務スピードに耐えられる鑑別疾患検索システムの開発にこだわります。​鑑別疾患検索システムを通じ、現場医療者の方が、可能性のある疾患を素早く把握できることを可能にし、​​​診断に費やす時間や労力を大幅に削減し、医療現場の業務効率に大きく貢献したいと考えています。​​​​​

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医療者による医療者のためのシステム開発​​

 

臨床診断研究センターは、臨床家、医療情報の専門家、医療データサイエンティストでチームを構成し、プロジェクトを動かしています。チームメンバーそれぞれに医療現場でのキャリアバックグランドがあり、それぞれのメンバーを突き動かすのは、いまの医療現場をより良いものへ変えたい、次世代に誇れる仕事を残したい志すメンバーです。​

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​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​医療現場で奮闘される多くの医療者の皆様に、貢献できますよう誠実に事業を進めて参ります。皆様の御指導、御支援を賜れますことをお心よりお願い申し上げます。

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​​​​代表者ご挨拶

 

皆様には平素より格別のご高配を賜りまして、誠にありがとうございます。臨床診断研究センター代表の加藤と申します。臨床診断研究センターは、2025年4月より法人として、新たなスタートを切りました。これまで、御支援、御指導を賜りました関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

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ここで、臨床診断研究センターの設立の経緯について、少し触れたいと思います。私は元々は総合病院で内科医として働いていました。​​​​

臨床医の3年目より今日に至るまで内科の初診外来に携わって来ました。初診外来には、実に様々な主訴の方が受診し、診断に難渋することも度々でした。初診外来では想定できなかった最終診断に至ることも多々経験しました。

​私には​初診外来の業務をしながら、ずっと葛藤してきたことがあります。それは、丁寧な診療と対応できる患者数の両立の難しさでした。丁寧な診療をすれば、おのずと時間がかかり、多くの患者さんへ対応が困難になります。しかし、いい加減な診療をすれば、誤診や遅診につながります。

また、入院診療においては、複数の症状や所見があるのに、確定診断に結びつかず、救えなかった命もありました。仮に確定診断がついても、診断に時間を要し、診断がついたときには、患者様の容態がすでに状態が悪化し、治療を実施できなかったこともありました。このような経験を重ねる中である想いが芽生えていきます。

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​​「複数の症状所見から鑑別疾患を、同時に検索できるシステムがあれば、もっと救える命がある」

「名医を目指すのではなく、全医師が診断の名医になれるシステムを作りたい」

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その想いから、私は医療情報の民間企業に飛び込みました。そして、企画からシステム開発、運営まで一貫して経験する機会に恵まれました。医療情報の仕事を通じ、徐々にIT知識と臨床経験が頭の中で、リンクするようになりました。​2022年に複数の症状・所見から疾患を検索する手法を考案し、鑑別疾患想起支援システムを設計し、その概念実証を行い、特許を認めていただきました。

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その後、開発思想の残しつつ、検索の自由度と正確性を高めた新アルゴリズムによる鑑別疾患検索システムを開発し、こちらも特許を認めていただくことができました。この鑑別疾患検索システムは、より臨床現場を意識した仕様に設計されており、医師はもちろんのこと、多職種連携で医療を提供する時代に合わせ、多くの医療者の皆様にご利用いただけますよう、大規模な言語処理技術を搭載し、検索者ごとの検索表現の揺れに対応しています。

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構想開始から長い年月を要しましたが、私たちは臨床現場への導入を見据え、実証試験を開始する準備段階に入りました。この間、プロジェクトに共感する仲間が集まり、強固な開発体制を確立することができました。

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​私たちの事業は、現場医療者の方を後方から支援し、業務効率・医療安全に寄与することにあります。医療現場の最前線に立つ医療者の皆様に、実を伴う真の貢献ができますよう、これからも事業を進めて参ります。皆様の変わらぬ御指導、御支援を賜れますよう、心よりお願い申し上げます。​​​​

代表者ご挨拶

臨床診断研究センター株式会社

​     代表 加藤 開一郎

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