ラビットフォックス無償化プロジェクトとは
臨床診断研究センター代表の加藤と申します。HPにお越しくださり、ありがとうございます。
プロジェクトのご案内として、まずなぜ私がこの組織を設立したのか、その動機と経緯をお話させていただきます。
私は2004年から臨床医として働き始めました。初期研修中に北海道の瀬棚町という、とても美しい漁村の診療所で勤務しました。これがきっかけで、私は全身を診療できる総合診療医を憧れを持つようになりました。
医師3年目以降は、救急医療のトレーニングのため、3次救急病院に移ったのをきっかけに、その後は、15年ほど総合内科医として働きました。
私の仕事はいわゆる診断のついていない患者さまの対応でした。しかし、診断に難渋する患者さまにも多々、遭遇します。私自身、血管内リンパ腫と慢性活動性EBウイルス感染症の診断が遅れ、診断が付いたときには重症化し、助けられないことを経験しました。
この2つの疾患を経験をしたとき、強烈にどうすればより早く診断が出来たのだろうかと、とても悩みました。そして、私が辿り着いた答えがありました。そして、その答えがこのプロジェクトのきっかけでした。
教科書やガイドラインは、症状の表現が一般化されてた表現で記載されています。例えばある疾患の症状が「関節痛」と記載されている場合、具体的にどこの関節にどのような関節痛が生じるのか、視覚的イメージできません。よく「臨床医は一度経験した疾患は忘れない」と言われるのは、視覚的にその疾患を学習したからだと私は考えています。
しかし、教科書やガイドラインは、その性質上、より一般化な表現を用いることは、やむを得ないことです。また、診断基準は、ある疾患かどうかを確定するための基準であり、ある疾患を疑う「きっかけ」ための「臨床像」とは限らないということです。
では、教科書やガイドラインで足りない情報をどうすればいいか。これを補うのが、教科書やガイドラインの基になる症例報告の文献検索です。
多くの臨床医の先生方はお分かりの通り、多数の受け持ち患者を抱えながら、現場を駆け回る医師に、膨大な数の疾患の文献を読み学ぶ時間的余裕などありません。これは従来の文献検索は、テキスト一致型の検索手法のため、あまりにもノイズとなる情報が多すぎるのです。そして、読み込むのにも時間がかかりすぎます。
これを解決する研究を行い、私は症例報告を中心に文献情報の中の「臨床像」に関わる情報を構造化されたデータとして、疾患名に紐づける(インデックス化)する技術を確立しました。これによりデータベースとして検索が可能となりました。
しかし、1文献ずつ、全てを読み、どの症状がどの疾患に紐づくのか、登録する作業は途方もなく時間がかかります。特に合併症のある病態は、それを読みほぐす必要があります。この作業は人工知能を利用することは難しく、手作業で長年をかけてようやく、現在は救急疾患・内科系疾患・腫瘍を中心に800疾患以上を登録するところまできました。
上記のようなアプローチで、症状や所見を入力すると、疾患名や病態名でインデックス化された症例報告情報にたどり着く疾患臨床像データベースが「ラビットフォックス」です。ラビットフォックスは「賢く早い検索システム」を目指したことに由来します。
どれほどデータベースが優れていても、検索速度が遅ければ実用性がなく使われないシステムになってしまいます。ラビットフォックスは、情報の正確性だけでなく、高速な検索ができることを追求してきました。幸いにもとても優秀なエンジニアの方々と出会いが、これを可能にしてくれました。
そして、検索者間の検査表現の違いを解消するための大規模言語データベースも構築することで、「しゃっくり」と検索しても「吃逆」と検索しても、同じ検索結果が出せるようになりました。このような経緯でようやく、検索サービス提供の目途が立ち、2026年9月からの実証試験をたどり着いたところです。
ホームページのフロントに私は「知りたいを叶えたい」という言葉を掲げています。これには「医療者の知りたい」と「患者さまの知りたい」の両方を意味が込められています。
そして「知識で救える命」という表現も記載していますが、これは「医療者の知識」、「患者様ご自身の知識」の意味があります。
臨床診断研究センターが、医療者(特に初学者や若手医療者)を後方から情報支援するとともに、同時に生活者のより正確な医療情報にふれられることも重視しています。
近年は患者様ご自身が、インターネット検索し、医師に提供する情報が診断にきっかけになったことを私自身が経験してきました。また、臨床の現場では事細かに疾患を説明している時間的余裕はありません。そのため、患者様も適切な情報にふれ、学べる必要があると私は考えています。
ラビットフォックスは有料サービスを前提に開発を進めてきました。これは開発費用と維持費をまかない、システムをより良くするためにはやむを得ないと考えてきました。
しかし、ラビットフォックスのデータベースは、文献やガイドラインを書いて下さった多くの医療者の皆様、そして文献やそれを公開して下さっている各学会の皆様に支えられています。
臨床の忙しい合間に症例報告や原著論文を書くことが、どれほど大変であるかは、臨床医である私自身がよく知っています。このため、医師として苦労して書かれた文献を利用し、収益事業を行うことにどうしても抵抗がありました。
そして、事業の公共性・公益性を考え、私はラビットフォックスをなんとか無償化けできないか考えています。その一方で、不快な広告が出るようなサービスにもしたくはありません。
このため、いきついたのが、ラビットフォックスの事業に共感くださる企業様からのスポンサー型の事業を考えています。
協賛いただく企業様を見つけるためには、まずはラビットフォックスが社会から必要とされているか、利用実績を検証しなければなりません。それが今回の実証試験の目的となります。YOUTUBEでチャンネルを開設し、ラビットフォックスの認知度を広める動画を載せているのもこれが目的です。
ラビットフォックスは、アカント登録性となっています。これは、ホームページのようにオープンにすると人工知能に読み込まれ、人間が構築したデータベースと人工知能のデータベースが区別がつかなくなり、将来的に人工知能の正確性の検証が難しくなります。このため、ご利用時の際には、アカント登録が必要な仕様となっています。
現在、アカント登録の煩わしさを解消すべく、フリーアカントを準備し、アカント登録なしで、まずはシステムを体験いただけるように準備を進めています。フリーアカントの公開は、2026年10月下旬を予定しています。
皆様のご支援と様々な御意見をお待ちしております。
臨床診断研究センター 加藤開一郎
医療情報検索サービス RABITFOX
※人工知能(AI)による サービス提供ではありません。
※本サービスは情報提供のみを目的としています。